:さらなる改造に向けて−カソードフォロア撤廃

だいぶご無沙汰してしまいましたが、表題にかなりショッキングな言葉を並べてみました。
実際には、カソードフォロアすべてが悪いわけではないと思いますが、すくなくともプリアンプでの純粋電圧増幅段では、カソードフォロア回路のアース回路上のノイズを原理的に除去する方法をtrillimicは見つけることができませんでした。

カソードフォロア回路とプレートフォロア回路

以下に、それぞれの回路の電流ループを交流直流にわけて、記載したモノを図示します。

図1プレートフォロア回路

図2カソードフォロア回路
図2の緑枠の部分に注目してください。
これをご覧になるとわかるように、図の下の部分の共通アース部分は直流分も交流分も共通に使わなければ、回路が成り立ちません。つまり、交流と直流のアースが分離できないんです。
無理に分離しようとすると以下のような図になります。

図3無理に分離しようとした回路
このように、分離すると、赤で○をした部分でアースラインを電流が流れるようになってしまって、返って雑音が増えることになります。

カソードフォロアは音が悪い?

では、カソードフォロア回路で直流交流を分離することはできないでしょうか?
実は、一つだけ方法があります。以下の図をご覧ください。

図4SRPP回路
これは単純なカソードフォロア回路ではなく、通常はSRPP(シャントレギュレーションプッシュプル)と呼ばれる回路です。
このようにすれば、アース回路の直流と交流を分離することが可能です。


したがって、今回、雑音がまだ多くて気に入らなかったベース用プリアンプは、このカソードフォロア回路をなくす改造を行うことによって、雑音を減らす作戦に出ることにしました。(SRPPを使ったり、カソードフォロア回路そのものをなくしたりします。)
実際には、そもそものフレッテッドベースが歪んでしまっていた原因についても究明できたのですが、それについては、実回路構成の構築方法、実装などについて、回路図や写真を交えながら、また次回アップしたいと思います。乞うご期待ください。


と、とりあえず以上なんですが、う〜ん。本当に上記の考え方であっているのかなぁ。
すくなくとも電圧増幅段はこれでいいと思うけど、パワー管のドライバに使われるカソードフォロアは別の役割も担っているよなぁ・・・
A2、AB2、B2はすべてカソードフォロアドライブじゃないと不可能だもんなぁ。
そのあたりの考察についても、また後日行ってみたいと思ってますが、いつになることやら・・・